お歳暮はお中元とともに、日ごろの感謝の気持ちや相手の健康などを気遣う気持ちを物に託して伝える習慣です。お中元では半年間の気持ちを込め、お歳暮では一年間の気持ちを込めるとされています。お中元は送らなくてもお歳暮だけは送るという場合もあるようです。
元来お歳暮は、新年の神様にお備えする品物を、年の暮れに本家などへ持って行く行事から始まったのでした。その発祥は正確にはわかっていませんが、江戸時代には庶民へと広がり、徐々にお世話になった人へ感謝の気持ちを送る行事に変わったと言われています。
みんなに喜ばれる物を
では、実際にはどのようにして贈れば良いのでしょうか。誰に、何を贈るのが良いのか、改めて考えてみましょう。
贈る相手は、親や親戚、上司、会社の取引先、お稽古事の先生と言ったようにお世話になったと感じる人ならだれでも構いません。友人同士で贈り合うこともあるでしょう。
何を贈るかについては、相手が喜びそうな物を選ぶようにしましょう。マナーとして現金や商品券などは避けるべきです。また、目上の方へは履物や下着などは失礼にあたるとされています。
そのほか、アンケートによると、もらって困るのは「賞味期限の短い食品」や「趣味に合わない雑貨」などが挙げられています。相手のことを思い、喜ばれる物を贈りたいですね。
参考としては、受け取り手の人数を考慮したり、なるべく日持ちがしたり、そして、相手の健康や趣味に考慮したりした物などが良さそうです。
おすすめのお歳暮は?
これらのポイントを考えると、やはりお菓子類がおすすめです。子どもから年配の方まで楽しめますし、会社関係や取引先に贈ったときは、休憩時間にみんなに配ったり、お茶請けとして楽しんだりしてもらうことができます。焼き菓子なら賞味期限が長く、甘い物が苦手な方がいるようならお煎餅などのお菓子があります。若い女性がいるのであれば最新の流行スイーツ、健康のために糖分を控えている方にはおからのクッキーやベジタブルスイーツを選んではみてはどうでしょう。
日ごろの感謝の気持ちを込め、相手の好みや健康状態をリサーチすれば、より喜ばれるお歳暮を贈ることができるのではないでしょうか。
相手を思う気持ちを贈ろう
世界的に見ると、同時期に欧米ではクリスマスプレゼントを贈り合う習慣があります。お世話になった同僚や友人、家族にクリスマスカードやプレゼントを贈り合う習慣は、日本のお歳暮文化よりもフレンドリーな雰囲気です。しかし、感謝の気持ちを伝えるという意味では同じなのです。
同じアジア圏ではインドネシア、タイ、中国、韓国などでお歳暮の文化があります。贈る物は砂糖や油などの生活必需品、現金や商品券などのほかに、やはりクッキーなど菓子類が人気だそうです。一年の感謝を込めてお世話になった方々にプレゼントを贈る気持ちはどこでも同じ。あなたもお世話になった人の顔を思い浮かべながら、お歳暮を選んでみませんか?
参考: