雪にシロップをかけて食べたのがアイスクリームの始まりというのは、イタリアでは有名な話です。シチリア島のエトナ山の雪を貴族の館に運んでいる途中に、うっかり果物のシロップをこぼしてしまった……というのはよく知られているようです。
ところかわって冬の期間が長いロシアでは、冷たいアイスクリームを冬に食べるのが定番だとか。零下にまで気温が下がる街頭にあるスタンドのアイスクリームは、むしろ温かいぐらいに感じるのでしょうか? 乳脂肪分が多く甘いので、寒い冬を元気に過ごすための栄養たっぷりのスイーツ、ということなのでしょう。
一年中、世界中で愛されるアイスクリームの最新情報をお届けします。
イタリアのヘルシーブーム
アイスクリームと言えば、イタリアですね。イタリアではアイスクリームのことをジェラートと言い、職人の手作りによるものは「Gelato Artigianale (ジェラート・アルティジャナーレ)」と呼び、大量生産で作られるものとは区別しています。
ジェラートにこだわりのあるイタリアで、いまブームになっているのがヨーグルトアイスクリームやフローズンヨーグルトです。最近のイタリアはヘルシー志向の人が増えており、ジェラートにもその波が押し寄せて来ているようです。ピスタチオやチョコレートの濃厚フレーバーでもさっぱりと味わえるため、食欲がないような暑い夏にぴったりのスイーツです。
ハワイのナチュラル志向
地元の新鮮なミルクを中心に、卵やフルーツ、ココナッツなど、すべて自国の材料から作るアイスクリームがハワイで人気を集めています。季節のフルーツをふんだんに使ったアイスクリームは、美味しいだけでなく環境にも優しいそうです。
健康的な太陽の下で食べるナチュラル志向のアイス……、ハワイに行ったら是非とも試したいですね。
韓国は窒素で凍らせる!?
韓国では、液体窒素で急速冷凍して作るアイスクリームが人気です。オーダーを受けてから店員がその場で手作りしてくれます。
ベースになるのはミルクとヨーグルト、水で、ここに季節のフルーツやチョコレートなど、好みのフレーバーを入れてアイスクリームを完成させます。窒素で凍らせているため、口に入れた瞬間に冷たさを感じたと思ったらほろりと崩れ、なめらかな舌触りになるのが特徴です。
世界でいちばんアイスクリームを食べる国は?
アメリカのビジネスサイト、Business Insiderに投稿されているデータによると、世界でもっともアイスクリームを消費するのは、ニュージーランドだとか。統計によると、1人当たり年間28.4リットルを消費することになるそうで、1年365日で割ってみると、なんと、毎日小さめのカップ1個分食べている計算になります。
ニュージーランドは酪農が盛んであるため、乳製品の消費傾向が高いようです。バニラにキャラメルを練り込んだ「ホーキーポーキー」は、ニュージーランド生まれのフレーバー。
食後のアイスクリームが定番の国だけに、甘い組み合わせでしっかりとデザートを楽しみます。
国によって異なるアイスの好み
暑い国だけでなく、寒い国でも愛されるアイスクリームは、世界中で多くの人に食べられているスイーツです。甘いものが苦手だけど、フルーツ果汁のたっぷり入ったアイスクリームなら食べられる、という方もいるでしょう。それだけに、海外でもさまざまなものが生まれています。
その土地の素材を使った食を味わうのも、旅の醍醐味のひとつ。海外へお出かけ前に、どんなアイスクリームショップがあるのか、どんなフレーバーがあるのか、確認していくのも楽しいのではないでしょうか。
参考: