野菜を使ったケーキといえば、カボチャやサツマイモ、にんじんを使ったものなどが想像できますが、今回紹介する“べジスイーツ”はこれまでの野菜スイーツとはひと味もふた味も違うものなのです。
「こんなものまでケーキに?」と驚いてしまう、おいしくて楽しい、魅力的なべジスイーツの世界を紹介します。
家でも作りやすいトマトのスイーツ
最初に紹介するのは、トマトを使ったべジスイーツです。最近のトマトは糖度が高く、フルーツのような甘みを持ったものも多くなっていますが、口の中に残る青臭さはやはり野菜そのもの。
そのままスイーツに、というのはやはり難しそうです。しかし、その青みを残したまま、オレンジなどの果汁を加えることで非常に使いやすいスイーツ食材に早変わりするのです。
種を取り裏ごししたトマトとオレンジ果汁を、寒天やゼラチンで固めれば、フレッシュで爽やかなゼリーができあがります。また、この果汁を生地に練りこめば、色合いも美しいトマトのパウンドケーキが焼きあがります。
ショコラと野菜の新鮮な出会い
もっと驚く食材の組み合わせをご紹介しましょう。それは、ショコラキャベツケーキと、ショコラゴボウケーキ! どちらもチョコレートケーキですが、野菜とのコラボレーションはなかなか思いつきませんよね。
まず、ショコラキャベツケーキの作り方。実はとっても簡単で、茹でたキャベツをピューレ状にし、ココアパウダーを加えたパウンドケーキの材料に混ぜて、焼くだけです。ココアパウダーがキャベツの水分を吸い取るので、水分量の調節に注意しましょう。
ショコラゴボウケーキは、ゴボウを細かく切り、オーブンでカリカリに焼いておき、それをショコラ生地に混ぜ込んでから焼きます。先に焼いておいたゴボウがナッツのような食感と風味を生みだし、クセになる味わいです。
どちらも食物繊維が豊富で胃腸にも良い食材。おなかにやさしいショコラケーキと言えますね。
ブロッコリーの茎は捨てないで!
最後に紹介するのは、ブロッコリーの茎を使ったパウンドケーキです。サラダなどで、つぼみの部分は食べても、茎の太い部分は捨ててしまっていませんか?
実は、ブロッコリーの茎には、食物繊維や発がん抑制効果の高いスルフォラファンという物質が豊富に含まれているのです。
ケーキに使う際には、茹でで、半分はピューレ状に、半分はみじん切りにしてパウンドケーキの生地に練りこみます。こうすることで生地から、ブロッコリー独特の甘みと、その食感を味わえます。そのままオーブンで焼けば出来上がりです。やさしく残るブロッコリーの風味を楽しみながら頂きましょう。
新たな食の誕生を楽しんで!
ほかにも、ナスやホウレン草、パプリカなどさまざまな野菜を使ったべジスイーツが、日夜生み出されています。
これらは、自然との調和を目指す「マクロビオティック」の考え方と結びついて、健康志向の多くの女性たちに愛されています。
お砂糖を使わず、野菜本来の甘さや苦みを引き出したケーキなどもあり、スイーツという枠に収まり切れない新たな食のジャンルにまで成長しそうな勢いです。一見、意外とも思えるコラボレーションが、新たな食のジャンルを形成する日も近いのかもしれません。
参考: