ボジョレー・ヌーボーとスイーツの幸せなマリアージュ

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日本でも大人気のボジョレー・ヌーボー。解禁日が近づくと予約を受け付けたり、解禁日に試飲をするためのパーティーが企画されたりするなど、大変な盛り上がりです。

ボジョレー・ヌーボーは、スイーツにも合うことをご存知でしょうか?
ぶどうの風味豊かなフレッシュな味わいなので、甘いお菓子との相性も抜群なのです。どんなマリアージュがあるのか、ボジョレー・ヌーボーの豆知識と共にご紹介します。

ボジョレー・ヌーボー豆知識

ボジョレー・ヌーボーは、フランスのボジョレー地区で作られる新酒のこと。ボジョレー地区では熟成タイプのワインももちろん醸造されますが、「ヌーボー(新しい)」と付くと、とくにその年のぶどうの出来を見るための、特別な製法で作られたものを指します。赤だけでなく、ロゼや白もあります。

フレッシュなぶどうの風味を味わうことのできる、軽い飲み口に仕上がるので、スイーツとの相性も抜群です。

作り方

一般的なワインは、ぶどうを絞ってモストと呼ばれるジュースにしてから醸造工程に入りますが、ヌーボーの場合は房ごとタンクに入れてしまいます。こうすることで、ぶどう自体の重みで下の方の実がつぶれ、醗酵が始まり、炭酸ガスが発生。タンク内に充満します。

この炭酸ガスの効果でぶどうの色や香り、味わいがぐっと抽出されるので、短い醸造期間でも、「飲める」ワインになるのです。熟成感よりフレッシュさが感じられるのは、この製造方法にあります。

解禁日

ボジョレー周辺では、1800年代から楽しまれていたワインです。11月11日の聖マルタンの日、11月15日の聖アルベールの日など、時代によって解禁日は変遷してきました。現在では毎年11月の第3木曜日が、その解禁日とされています。1984年、フランス政府によって定められました。

2014年の解禁日は、11月20日(木)です。

なるべく早く飲んで!

ボジョレー・ヌーボーは、なるべく早く飲んでしまうべきワインです。ワインセラーに寝かせておくほど熟成して、おいしくなるタイプのワインではありません。一般的にはクリスマスや新年のお祝いあたりまで。少なくとも春までには飲んでしまいましょう。

冷たいフレッシュ感を楽しむ

一般的に赤ワインは常温で楽しむものと言われています。しかし、ボジョレー・ヌーボーに関しては、赤でも冷やして飲んだほうがその個性を感じられ、よりおいしくいただけます。

2014年の出来は?

2014年は春先の雨も少なく温暖だったため、7月初旬ごろからぶどうの実ができ始め、長い生育期間をもつことができたようです。ヨーロッパ各地はこの夏、あまり天候状況が良くなかったのですが、ボジョレー地区ではその被害も局地的なものにとどまり、大打撃を受けることもなかったそう。なかなかの仕上がりが期待されているようです。

ボジョレー・ヌーボーとスイーツ、おすすめマリアージュ

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フルーティーで軽やかなボジョレー・ヌーボーは、スイーツとも好相性です。どんな組み合わせが合うのか、おすすめのマリアージュをご紹介します。

カヌレ

焦がしバターや卵黄、はちみつをたっぷりと使い、しっとりと焼き上げるカヌレは、リッチな味わいで、アルコールとの相性も抜群です。ボジョレー・ヌーボーのようなフルーティーなワインなら、カヌレのふくよかな味わいがより引き立ちます。

カヌレを電子レンジで数秒ほど温めてから食べるのもおすすめです。鼻に抜けるカヌレの芳ばしさに、ヌーボーの華やかな香りが重なり、大人のマリアージュを演出します。

チョコレート

チョコレートの原料であるカカオと、赤ワインの原料であるぶどうには、ポリフェノールが含まれています。同じ物質が含まれているので、相性が良いのは当然のこと。カカオの豊かな風味と、ボジョレー・ヌーボーのさわやかな渋みが一緒になり、お互いの持ち味を引き出してくれます。

チョコレートは、ミルクの入っていないダークタイプがおすすめ。大人の味わいのマリアージュで、甘いものが苦手な方でも受け入れやすい組み合わせです。

チーズケーキ

赤ワインとチーズの相性の良さはよく知られていますが、濃厚な味わいのチーズケーキは、ボジョレー・ヌーボーのほんのりとした甘さによく合います。

レアチーズケーキ、ベイクドチーズケーキ、どちらも好相性ですが、食べる前によく冷やしておきましょう。ヌーボーも同じように冷やしておくと、口に入れたときの馴染みがよく、お互いの味を邪魔しません。口の中でふんわり広がるチーズの味をワインの軽やかな渋みが洗い流すような、さわやかな味わいを楽しめます。

オレンジピールのチョコレートがけ

少しの苦みのあるオレンジピールに、チョコレートのカカオの風味、ボジョレー・ヌーボーの軽い渋みと、3つの味のコンビネーションが楽しめる組み合わせです。苦さと甘さと渋みに、オレンジの皮やぶどうのフルーティーな香りが重なり、口中に複雑で華やかな風味が広がります。食後のデザートとしてはもちろん、食前酒としてボジョレー・ヌーボーを楽しむ際にもぴったりです。

冷蔵庫に入れておく必要もなく日持ちのするスイーツなので、ボジョレー・ヌーボーをプレゼントするときに添えれば、おしゃれな贈り物になります。

ボジョレー・ヌーボーとスイーツでおもてなし

スイーツでのおもてなしに、コーヒーや紅茶を合わせるのではなく、ボジョレー・ヌーボーを添えてみてはいかがでしょう。熟成タイプのワインと違い、フルーティーで軽やかな飲み心地のボジョレー・ヌーボーなら、午後のお茶会にもぴったりです。

チョコレートやチーズケーキなど好相性のものをそろえて、今年は、ぜひスイーツと一緒に楽しみましょう。

参考: