おいしくてヘルシー!簡単に作れる薬膳デザートレシピ

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食べ物には体を温めたり、冷やしたり、排出を促したりと、さまざまな働きがあります。その働きを季節や体の状態に合わせて組み合せ、健康を保つようにする食事が薬膳です。中国の医学が基本になっていますが、日本でも春には山菜、夏には夏野菜を食べるといったように、季節に合わせて食事をしてきました。

本格的な薬膳の食事を作ろうと思うと、大変そうで少し気が重くなってしまうかもしれません。まずは、手軽に手に入る材料を使って作れる薬膳デザートで、気楽に楽しんでみませんか? 慣れてきたら、少しずつ食事にも薬膳を取り入れていきましょう。

薬膳とは?

薬膳の考え方

薬膳というと何か難しそうに聞こえますが、簡単に言うと食べ物によって体のバランスを整えていくことです。中国では、古くから医食同源という考え方があり、食べ物によって病気を予防したり、治療したりしてきました。蓄積された知識と、「五行」や「陰陽」といった理論を合わせたものが中国の医学の基礎になっています。

体質と食べ物の性質

人の体質は、大きく分けると「寒、熱、虚、実」の4つに分けられます。「寒」は冷え性、「熱」は暑がり、「虚」は元気がない状態、「実」は気力に満ちている状態を意味します。食べ物にも「寒、熱、温、涼、(平)」の性質があり、「体を冷やす」ものと「体を温める」ものに大きく分けられます。「平」は体を冷やしたり温めたりしない、中間的な性質を持っています。食べ物の味も「五味」といって、「酸っぱい、苦い、甘い、辛い、しょっぱい」の5つに分けられ、バランスよく摂ることが必要です。

「寒の場合には熱を摂り、熱の場合は寒を摂る」のが基本で、「虚は補い、実は流し出す」ことで対応します。病院に行くほどではないけれど体調が何となくすぐれない、体が重いといったときに、薬をなるべく使わずに食べ物で体調を整えられれば安心ですね。

簡単薬膳デザートレシピ

豆乳と黒豆きな粉のドリンク

黒い食べ物は血を補う働きがあるため、貧血になりやすい女性におすすめです。黒豆は「腎」の力も高めてくれます。混ぜて温めるだけの簡単ドリンクは、食後や朝食にピッタリです。

材料:豆乳200cc、黒豆きな粉大さじ1、はちみつ小さじ1、シナモンパウダー少々

作り方:

鍋に豆乳200ccと黒豆きな粉大さじ1を入れて中火にかけて温め、温まったらはちみつ小さじ1を入れたカップに注いで完成。お好みでシナモンパウダーを少々ふる。

りんごときくらげの美肌デザート

りんごの整腸効果と、白きくらげの体を潤す効果で、肌がきれいになる美肌デザートです。

材料:りんご1個、白きくらげ(乾燥)5グラム、はちみつ大さじ3から4、水4カップ、あれば赤ワイン50cc、干しぶどう少々、シナモンパウダー少々

作り方:

  1. 白きくらげは水につけて戻し、戻ったら水気を切り硬い部分を取り除いて、一口大に切る。
  2. りんごはよく洗い、4つに割って芯を取り、適当な大きさに切る。
  3. 鍋にきくらげと水を入れて強火にかける。沸騰したら弱火にし、蓋をして柔らかくなるまで1時間位煮る。
  4. りんごとはちみつ、赤ワインを入れて、りんごがとろりとするまで弱火で20分位さらに煮る。赤ワインがない場合は水を加える。
  5. 器に盛り、干しぶどうをのせ、シナモンパウダーを好みでかけていただく。

体を温める! 生姜入りにんじんケーキ

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体を温める生姜、タンパク質やイソフラボンなどの栄養豊富な大豆、目によいとされるビタミンAの豊富な人参、これらを組み合た簡単ケーキ。家にある材料で手軽にできます。

材料:にんじん1本、薄力粉55グラム、サラダ油50cc、生姜のすりおろし小さじ1、重曹小さじ1/2、きな粉大さじ5、砂糖(黒砂糖でも)40グラム、卵2個、塩少々

作り方:

  1. にんじんはすりおろしてラップをかけ、500ワットの電子レンジで2分程加熱して冷ましておく。生姜もすりおろす。
  2. 薄力粉、重曹、きな粉を合わせてふるいにかける。
  3. ボウルに卵、砂糖、塩を入れて泡だて器でゆっくりとよく混ぜ合わせ、サラダ油を加える。にんじんと生姜を入れてさらに混ぜる。
  4. ふるった粉類を入れて、ヘラで切る。混ざったらラップをかけて冷蔵庫で1時間ほど寝かせる(時間がなければ省略可)。
  5. オーブンを180度で予熱して、型にクッキングシートを引く。
  6. 型に生地を入れて、180度のオーブンで25分位焼く。竹串をさして何もついてこなければ完成。熱いうちに型から出して、冷ましていただく。

簡単においしく、体調を整えよう!

薬膳というと難しそうでとっつきにくい印象がありますが、ここで紹介したように簡単な薬膳デザートレシピであれば気軽にトライできそうですね。
おいしく食べて体の調子が良くなれば、「もっと薬膳を知ってみたい!」となるかもしれません。自分の体質や食べ物の性質を知っていくと、人間も自然の一部なのだと感じることができそうです。季節や体調に合わせて薬膳を楽しみながら、キレイと健康を手に入れましょう。

参考: