チョコレートは昔、薬だった!? 驚くべきチョコレートの健康効果とは?

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チョコレートは、遠い昔、薬として利用されていました。現在のように化学的な合成薬がない時代に、詳しい薬効成分は分からないまま、ただ「効く」という経験値から、カカオは薬として珍重されてきたのです。
そして今また、その薬効成分が注目されています。どんな効果があるのか、チョコレートの歴史とともに見ていきましょう。

紀元前から始まるカカオの歴史

紀元前1500~400年代ごろに中南米で栄えた、いまだに解明されていないことが多いオルメカ文明の時代にも、カカオ豆が利用されていたようです。ここからも分かるように、チョコレートの歴史は大変古く、長い間にわたって人類に利用されてきました。

さまざまな文明が興った中南米ですが、マヤ文明の時代には兵士の補給食として利用されていたようですし、アステカ文明ではカカオが薬として使われていたという記述が出てきます。このころから本格的に万能薬、疲労回復薬として認知されていたようです。

ヨーロッパへ渡り、進化

アステカ文明をほろぼしたスペイン人は、この利用価値の高いカカオ豆を、ヨーロッパへ持ち込みました。当時、カカオ豆は薬屋で取り扱われており、チョコレートは水やお湯と混ぜて、薬のような感覚で飲まれていました。そのうち、砂糖を加えるようになり、徐々に嗜好品としての「チョコレート」になっていくわけです。

日本人がイメージするいわゆる固形チョコレートは、イギリスで生まれたものです。ココアバターを抽出する技術が発明されたのが1828年、そこから約20年後の1847年に初めて固形のものが誕生しました。このころになると、薬としてのイメージは薄れ、甘くておいしい嗜好品としてのチョコレートになっていきます。

今、また注目されるその薬効とは?

チョコレートに含まれるさまざまな薬効が、あらためて注目されています。昔の人が経験的に「薬」として利用した成分も、今では研究によって明らかになっています。

ポリフェノールでアンチエイジング

カカオに含まれるポリフェノールには、体内の活性酸素を抑える働きのあることが報告されています。活性酸素は、体内の酸化を進め、老化を進行させる要因にもなっています。ポリフェノールによる活性酸素の抑制は、アンチエイジングにつながるといえますね。

ミネラルで心臓病を予防する

マグネシウムの欠乏は心臓病のリスクを高めますが、チョコレートにはこのマグネシウムも多く入っています。カルシウム、鉄、亜鉛、とふだん食品から摂取するのが難しいミネラルが含まれているため、健康的なおやつとしてもぴったりです。

香りとGABAでリラックス

カカオ豆は実の中から取り出した後、1週間ほど発酵させるのですが、この過程でチョコレート独特の豊かな香りが生まれます。また、カカオに含まれるGABAには、脳内の興奮を働きがあります。香りとGABA成分の両方が、心身をリラックスした状態に導いてくれるのです。

チョコレートの上手な選び方・食べ方

チョコレートを食べるなら、その薬効成分を最大限にいかしたいですよね。食べ過ぎが毒であるなか、とくに砂糖の摂り過ぎは体に悪影響を及ぼします。チョコレートを選ぶ際は、カカオの成分が多く含まれていて、砂糖の少ないものを選びましょう。

また、砂糖の入っていないココアパウダーを使えば、チョコレートの成分を有効に摂り入れられるでしょう。昔の人のように砂糖を加えずにお湯で溶かして飲むのも良いかもしれません。

おいしく食べて健康的に

チョコレートの意外な薬効成分は、体のさまざまな活動を助け、健康的な状態に導いてくれることが分かりました。正しく食べれば、その効果を実感できるでしょう。おいしくて、しかも健康的なチョコレートを、ふだんの食生活にもっと取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考: